フィルムカメラの購入から、自家現像、プリントの作成orデジタル化までを解説していく自家現像ロードマップの第二弾「撮影編」です。前回の記事でカメラとレンズとフィルムは手に入ったところで撮影に行きましょう。
0. デジタルカメラと違う点
・その場で写真が見れない
フィルムカメラのデジタルカメラの最も多いな違いは「その場で写真を確認できない」という事です。そのため、撮影の時に露出の設定やピントに関して間違っていても現像するまで気付かなかったりします。デジタルカメラで少しずつ露出やアングルを調整して追い込むようなことはあまり向きません。
・モノクロとカラー, ISO感度の切り替えができない
モノクロとカラーの変更やISO感度の変更は基本的には装填したフィルムに依存するので、撮影中に切り替えることはできません。36カット先を見越してフィルムを装填する必要があります。
・高感度(暗所での撮影)は苦手
機種によりますがデジタルカメラの最高感度はISO25600くらいまである一方で、フィルムはどれだけ増感(現像処理をプッシュさせることで疑似的に高感度を作成する手法)してもISO3200くらいで、粒状性を維持するとISO1600程度のようです。あまり暗い所では撮れないと思っておいた方が良いでしょう。
こちらは一応ISO12800まで増感できるというデータを試してみた検証です
・36カットしか撮れない
フォーマットによってまちまちですが、デジタルカメラのように何百枚と撮影することはできません。大体フィルム代1000円くらいで36枚撮れます。個人的にはデジタルだと撮りながら考えていいアングルを探すことが多いですが、フィルムだとファインダーは覗いていますがシャッターを切るまでの時間が少し長くなることが多いです。
1. 撮影のルーティン
フィルムカメラの使用にはフィルムの装填から、撮影してフィルムの取り出しまで一連のルーティンがあります。ルーティンを図示すると以下の通りです。いずれの作業も異様に強い力が必要に感じたときは、一度作業をやめてカメラの操作方法を確認してみてください。無理に動かすと故障の原因になります。

(1)まず、フィルムをカメラに装填します。(2)次にフィルムを巻き上げ、(3)必要に応じてフィルターを付け替えます。そして、(4)ピントと(5)露出を合わせて、(6)シャッターを押します。(2)~(6)をフィルムが無くなるまで繰り返します。最後に(7)フィルムを巻き戻して、(8)フィルムを取り出します。
ではそれぞれの行程をNikonFEを例に説明していきます。各部の名称は軍艦部の写真を参照してください。
※カメラによって一部の行程は異なる手法になるので、お手持ちのカメラに合わせた方法を確認してください。
NikonFE全体図

NikonFE軍艦部

(1)フィルムをカメラに装填する。
カメラの巻き戻しレバーにあるロックを押し込み、巻き戻しレバーを上に持ち上げるとカメラの裏ブタが開きます。
次にフィルム先端をスリットに喰いこませ、スプロケットとパーフォレーションがかみ合っていることを確認して、裏蓋を閉めます。この時、巻き戻しレバーを少しだけ回してフィルムの抵抗を感じることで、フィルムがしっかりと装填されたことが確認できます。
また、この時にフィルムのISO感度に合わせてカメラの感度設定もダイアルを回して調整しておきましょう。ISO感度ロックボタンを押しながら回してISO感度を設定し、外縁の銀色のリング部を上に軽く持ち上げながら回転させることで露出補正を設定できます。



(2)フィルムの巻き上げ
フィルムは1カットごとに巻き上げを行う必要があります。巻き上げレバーを外側に向かって回します。この時に巻き戻しレバーをある程度テンションがかかるまで巻いておくと(巻き上げレバーにプリントされてる白い矢印方向)、巻き上げレバーと連動して回転しフィルムがカメラにきちんと装填されていることが確認できます。

(3)フィルターのセット
モノクロフィルムを使うのであれば、是非ともイエローフィルターはもっておきたい所です。レンズ先端の保護フィルターを付けるところに取り付けできます。
イエローフィルターは特に空が入ってくるカットで重要になります。空には青空の部分と雲の部分がありますが、青空は非常に明るく、雲は元来白いため、モノクロとして見たときにどちらも白く写ります。そこで、黄色のフィルターを通して撮影することで、黄色よりも波長の短い光線(緑~青など)をカットして、青空部分を相対的に暗くさせることで、空を上手に描写できるようになります。光線がカットされるので、大体は露出補正を+1して撮影します。
赤外フィルター(可視光をカット)や赤フィルター(オレンジ~青をカット)、オレンジフィルター(黄~青をカット)などのより強烈に補正をかけるフィルターも存在しますが、そちらは必要に応じて使用すればよいでしょう。
空が画面に入ってくるなら、イエローフィルターを付けて、露出を+1補正する。そういう風に覚えておけばいいです。
左:フィルターなし, 中央:イエローフィルター, 右:赤外フィルター



極端な例として赤外撮影というものがあります
(4)ピント合わせ
被写体にピントが合うようにピントリングを回します。ファインダー中央にスプリットが付いているものはピントが合わせやすいです。ピントリングを回すと中央のスプリット部分が左右に動いて、上下で重なるとピントが合ったという事になります(斜めにスプリットが入っている場合もあり)。


(5)露出の決定
露出の決定方法に関しては簡単でかつ「これがいい」と一概に言える方法はないのですが、とりあえずはカメラの内蔵露出計の値に設定して撮影していれば大きなミスはないでしょう。
ファインダー内に表示される露出計を頼りに露出を設定します。NikonFEに関しては絞りとISO感度に対して、適切なシャッタースピードを示してくれます。

カメラの内蔵露出計は画面の中央あるいは全体がいい具合にグレーになるように露出を決定してくれます。しかしながら、例えば背景が白い場合はカメラは全体をグレーにしようとして、暗くなるように露出を決めてしまいます。フィルムは露出オーバー(想定以上に明るい写真)の方が露出アンダー(想定以上に暗い写真)よりも補正がしやすいので、迷ったときは多少オーバーになるように補正しておくというのも安全策の一つです。とはいえ、高解像なフィルムに関しては露出ミスに関してピーキーな結果となるのでより気を付けた方が良いでしょう。
露出オーバーと露出アンダーの影響はこちらでまとめました
高解像フィルムの露出オーバー, アンダーに関してはこちらに少し書いています
(6)シャッターを押す
ピントと露出が決まり、被写体を見てここぞという瞬間にシャッターを押します。
(7)フィルムの巻き戻し
フィルムを撮りきってしまうと、巻き上げレバーを回せなくなります。そうしたら、カメラの底位置にあるロックボタンを押しながら、巻き戻しレバーを回してフィルムをパトローネに巻き戻しましょう。
この時、ロック解除をせずに無理に巻き戻しレバーを回すとフィルムがねじ切れたり、カメラの故障の原因になるのでかなわず解除ボタンを押しましょう。
また、巻き戻しの際に完全にフィルムをパトローネ内に巻き取るのではなく、フィルムがスリットから離れた時に手ごたえが急に軽くなるので、そこで巻き戻しを止めると、後の作業が少し簡単になります。

(8)フィルムの取り出し
フィルムを装填した時と同じ要領で裏蓋をあけてフィルムを取り出しましょう。
2. 総評
フィルムカメラの撮影手順を紹介しました。一通り触ってみるとなんという事はないので、あまり難しく考える必要はないでしょう。
露出の決定方法に関しては様々な手法やツールがありますが、最初のうちはカメラ任せでもいいかと思います。
フィルムカメラは写真が現像するまで見れないので、一つ一つの作業を丁寧に行っていきたいですね。
・その場で写真が見れない
フィルムカメラのデジタルカメラの最も多いな違いは「その場で写真を確認できない」という事です。そのため、撮影の時に露出の設定やピントに関して間違っていても現像するまで気付かなかったりします。デジタルカメラで少しずつ露出やアングルを調整して追い込むようなことはあまり向きません。
・モノクロとカラー, ISO感度の切り替えができない
モノクロとカラーの変更やISO感度の変更は基本的には装填したフィルムに依存するので、撮影中に切り替えることはできません。36カット先を見越してフィルムを装填する必要があります。
・高感度(暗所での撮影)は苦手
機種によりますがデジタルカメラの最高感度はISO25600くらいまである一方で、フィルムはどれだけ増感(現像処理をプッシュさせることで疑似的に高感度を作成する手法)してもISO3200くらいで、粒状性を維持するとISO1600程度のようです。あまり暗い所では撮れないと思っておいた方が良いでしょう。
こちらは一応ISO12800まで増感できるというデータを試してみた検証です
・36カットしか撮れない
フォーマットによってまちまちですが、デジタルカメラのように何百枚と撮影することはできません。大体フィルム代1000円くらいで36枚撮れます。個人的にはデジタルだと撮りながら考えていいアングルを探すことが多いですが、フィルムだとファインダーは覗いていますがシャッターを切るまでの時間が少し長くなることが多いです。
1. 撮影のルーティン
フィルムカメラの使用にはフィルムの装填から、撮影してフィルムの取り出しまで一連のルーティンがあります。ルーティンを図示すると以下の通りです。いずれの作業も異様に強い力が必要に感じたときは、一度作業をやめてカメラの操作方法を確認してみてください。無理に動かすと故障の原因になります。

(1)まず、フィルムをカメラに装填します。(2)次にフィルムを巻き上げ、(3)必要に応じてフィルターを付け替えます。そして、(4)ピントと(5)露出を合わせて、(6)シャッターを押します。(2)~(6)をフィルムが無くなるまで繰り返します。最後に(7)フィルムを巻き戻して、(8)フィルムを取り出します。
ではそれぞれの行程をNikonFEを例に説明していきます。各部の名称は軍艦部の写真を参照してください。
※カメラによって一部の行程は異なる手法になるので、お手持ちのカメラに合わせた方法を確認してください。
NikonFE全体図

NikonFE軍艦部

(1)フィルムをカメラに装填する。
カメラの巻き戻しレバーにあるロックを押し込み、巻き戻しレバーを上に持ち上げるとカメラの裏ブタが開きます。
次にフィルム先端をスリットに喰いこませ、スプロケットとパーフォレーションがかみ合っていることを確認して、裏蓋を閉めます。この時、巻き戻しレバーを少しだけ回してフィルムの抵抗を感じることで、フィルムがしっかりと装填されたことが確認できます。
また、この時にフィルムのISO感度に合わせてカメラの感度設定もダイアルを回して調整しておきましょう。ISO感度ロックボタンを押しながら回してISO感度を設定し、外縁の銀色のリング部を上に軽く持ち上げながら回転させることで露出補正を設定できます。



(2)フィルムの巻き上げ
フィルムは1カットごとに巻き上げを行う必要があります。巻き上げレバーを外側に向かって回します。この時に巻き戻しレバーをある程度テンションがかかるまで巻いておくと(巻き上げレバーにプリントされてる白い矢印方向)、巻き上げレバーと連動して回転しフィルムがカメラにきちんと装填されていることが確認できます。

(3)フィルターのセット
モノクロフィルムを使うのであれば、是非ともイエローフィルターはもっておきたい所です。レンズ先端の保護フィルターを付けるところに取り付けできます。
イエローフィルターは特に空が入ってくるカットで重要になります。空には青空の部分と雲の部分がありますが、青空は非常に明るく、雲は元来白いため、モノクロとして見たときにどちらも白く写ります。そこで、黄色のフィルターを通して撮影することで、黄色よりも波長の短い光線(緑~青など)をカットして、青空部分を相対的に暗くさせることで、空を上手に描写できるようになります。光線がカットされるので、大体は露出補正を+1して撮影します。
赤外フィルター(可視光をカット)や赤フィルター(オレンジ~青をカット)、オレンジフィルター(黄~青をカット)などのより強烈に補正をかけるフィルターも存在しますが、そちらは必要に応じて使用すればよいでしょう。
空が画面に入ってくるなら、イエローフィルターを付けて、露出を+1補正する。そういう風に覚えておけばいいです。
左:フィルターなし, 中央:イエローフィルター, 右:赤外フィルター



極端な例として赤外撮影というものがあります
(4)ピント合わせ
被写体にピントが合うようにピントリングを回します。ファインダー中央にスプリットが付いているものはピントが合わせやすいです。ピントリングを回すと中央のスプリット部分が左右に動いて、上下で重なるとピントが合ったという事になります(斜めにスプリットが入っている場合もあり)。


(5)露出の決定
露出の決定方法に関しては簡単でかつ「これがいい」と一概に言える方法はないのですが、とりあえずはカメラの内蔵露出計の値に設定して撮影していれば大きなミスはないでしょう。
ファインダー内に表示される露出計を頼りに露出を設定します。NikonFEに関しては絞りとISO感度に対して、適切なシャッタースピードを示してくれます。

カメラの内蔵露出計は画面の中央あるいは全体がいい具合にグレーになるように露出を決定してくれます。しかしながら、例えば背景が白い場合はカメラは全体をグレーにしようとして、暗くなるように露出を決めてしまいます。フィルムは露出オーバー(想定以上に明るい写真)の方が露出アンダー(想定以上に暗い写真)よりも補正がしやすいので、迷ったときは多少オーバーになるように補正しておくというのも安全策の一つです。とはいえ、高解像なフィルムに関しては露出ミスに関してピーキーな結果となるのでより気を付けた方が良いでしょう。
露出オーバーと露出アンダーの影響はこちらでまとめました
高解像フィルムの露出オーバー, アンダーに関してはこちらに少し書いています
(6)シャッターを押す
ピントと露出が決まり、被写体を見てここぞという瞬間にシャッターを押します。
(7)フィルムの巻き戻し
フィルムを撮りきってしまうと、巻き上げレバーを回せなくなります。そうしたら、カメラの底位置にあるロックボタンを押しながら、巻き戻しレバーを回してフィルムをパトローネに巻き戻しましょう。
この時、ロック解除をせずに無理に巻き戻しレバーを回すとフィルムがねじ切れたり、カメラの故障の原因になるのでかなわず解除ボタンを押しましょう。
また、巻き戻しの際に完全にフィルムをパトローネ内に巻き取るのではなく、フィルムがスリットから離れた時に手ごたえが急に軽くなるので、そこで巻き戻しを止めると、後の作業が少し簡単になります。

(8)フィルムの取り出し
フィルムを装填した時と同じ要領で裏蓋をあけてフィルムを取り出しましょう。
2. 総評
フィルムカメラの撮影手順を紹介しました。一通り触ってみるとなんという事はないので、あまり難しく考える必要はないでしょう。
露出の決定方法に関しては様々な手法やツールがありますが、最初のうちはカメラ任せでもいいかと思います。
フィルムカメラは写真が現像するまで見れないので、一つ一つの作業を丁寧に行っていきたいですね。

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