フィルムというのはデジタルカメラに比べてどうしても暗所に弱いといわれています。実際に公称感度は高感度と呼ばれているものでもISO400程度です。
しかし、モノクロフィルムは現像の段階で現像時間を長くすることでコントラストを上げて疑似的に感度を上げることができます。そして、海外サイトなどではISO12800も可能であると書かれています。
そこで今回はTriXを3200, 6400, 12800まで増感してみて、それぞれがどのような結果になり、どの程度の有用性があるのかを検証していきます。
しかし、モノクロフィルムは現像の段階で現像時間を長くすることでコントラストを上げて疑似的に感度を上げることができます。そして、海外サイトなどではISO12800も可能であると書かれています。
そこで今回はTriXを3200, 6400, 12800まで増感してみて、それぞれがどのような結果になり、どの程度の有用性があるのかを検証していきます。
0. はじめに
以前、TriXをISO100(減感現像), ISO400(標準現像), ISO1600(増感現像)にて撮影比較を行い、増感と減感のおおよその傾向を把握しました。こちらも合わせて読んでも良いかと思います。
また現像液に関しても以前に紹介しているのでそちらも興味があれば読んでみてください。
1. 検証要目
・機材
フィルム :TriX
現像液 :Rodinal
カメラ :NikonFE, NikonFE2, NikonF4
レンズ :Nikkor50mm1.4
現像液は同じく一般的なD76も検討しましたが、D76は増感できる幅が狭いのでRodinalになりました。
・撮影
三脚にてカメラを固定し、適正露出および-1,+1,+2の露出補正をしたカットを撮影。
露出に関しては基本的に夜間はアスファルトで大体-1になるようにしています。昼間の風景は陸に露出を合わせてます。
・現像
ISO3200 : 33min. (1+50)
ISO6400 :150min. (1+80)
ISO12800 : 51min. (1+50)
ここでISO6400の現像は攪拌現像ではなく、静止現像を行っています。ロジナールは1+100程度で静止現像されるケースが多いので、やや濃いめにして感度を出そうという事でしょう。
※現像時間が長いほど室温に影響されて現像液の温度は上がるため、これほど長時間の現像では、季節や場所によって現像結果には差が出る可能性があります。今回は7月のエアコンの効いた室内で現像しました。
2. 結果検証
作例1(夜間風景)




ISO3200(-1, ±0, +1, +2)




ISO6400(-1, ±0, +1, +2)




ISO12800(-1, ±0, +1, +2)
コメント
ISO3200とISO6400は+1で適正で、ISO12800は+2が適正の露出のようです。実際にはISO3200→ISO1600, ISO6400→ISO3200, ISO12800→ISO3200程度の扱いの方が良いみたいです。
作例2(昼間風景)




ISO3200(-1, ±0, +1, +2)




ISO6400(-1, ±0, +1, +2)




ISO12800(-1, ±0, +1, +2)
コメント
作例1ではISO12800では+2が適正のように見えましたが、ISO3200やISO6400の+1に比べてやや暗い印象です。この結果からISO6400の現像方法の方がISO12800よりも感度は高く出ているようです。
作例3(ブツ撮り)



ISO100(-1, ±0, +1)



ISO400(-1, ±0, +1)



ISO1600(-1, ±0, +1)




ISO3200(-1, ±0, +1, +2)




ISO6400(-1, ±0, +1, +2)




ISO12800(-1, ±0, +1, +2)
コメント
ISO3200の適正は+1、ISO6400の適正は+1~+2の間、ISO12800の適正は+2になりそうです。やはりISO6400の現像方法が最も高感度になっているようです。
また、これらは前回の検証の時にも撮影しているので、ISO100からISO12800までの粒子や解像度の変化を、画面下側のパッケージの部分を拡大して見ていきましょう。
作例4(ブツ撮り)



ISO100(±0), ISO400(±0), ISO1600(±0)



ISO3200(+1), ISO6400(+1), ISO12800(+1)
ISO100からISO400では大きな変化はありませんが、ISO1600から徐々に粒子は目立ち始めISO3200以降は文字の判読が難しくなり、ISO12800では完全につぶれてしまっています。また、少ない露光量のためかISO6400とISO12800では、かなりコントラストが低下しています。
3. 総評
増感の結果、ISO3200とISO6400の設定では+1、ISO12800では+2程度の露光が良いようです。粒子は増感に伴いずっと増えていっていることがわかります。
この結果を踏まえると実質的な最高感度はISO3200(ISO6400設定)という事になります。現像方法の違いのせいか、ISO12800よりも高感度が得られました。
減感および増感のネガが作れる程度の感度表は概ね以下のようになるかと思います。実行感度の値は大体ですが参考になると思います。
・最高感度ISO3200とは
Nikonの入門機を例にして、感度と描写を踏まえて比較すると大体D3100やD3200くらいの性能になります。フィルムにしては大健闘と言えるのではないでしょうか。
また実際にはピントを合わせるのに、暗いところは結構難しいです。ライカのようなレンジファインダー機では二重像が見えなくなり、多くのAF機はピントを捕まえられないでしょう。MF機のピントの掴みやすい機種なら対応しやすいかもしれません。なので、現実的にはISO3200というのはカメラの限界も近いと思います。
・増感は闇を照らせたのか
ISO3200もあれば、f1.4~2.0程度のレンズを使えば十分に多くのシーンで撮影できると思います。荒い粒子と付き合う必要がありますが、バーやライブハウス、キャンプの焚火などで十分に効果を発揮できると思います。この機会に皆さんチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
以前、TriXをISO100(減感現像), ISO400(標準現像), ISO1600(増感現像)にて撮影比較を行い、増感と減感のおおよその傾向を把握しました。こちらも合わせて読んでも良いかと思います。
また現像液に関しても以前に紹介しているのでそちらも興味があれば読んでみてください。
1. 検証要目
・機材
フィルム :TriX
現像液 :Rodinal
カメラ :NikonFE, NikonFE2, NikonF4
レンズ :Nikkor50mm1.4
現像液は同じく一般的なD76も検討しましたが、D76は増感できる幅が狭いのでRodinalになりました。
・撮影
三脚にてカメラを固定し、適正露出および-1,+1,+2の露出補正をしたカットを撮影。
露出に関しては基本的に夜間はアスファルトで大体-1になるようにしています。昼間の風景は陸に露出を合わせてます。
・現像
ISO3200 : 33min. (1+50)
ISO6400 :150min. (1+80)
ISO12800 : 51min. (1+50)
ここでISO6400の現像は攪拌現像ではなく、静止現像を行っています。ロジナールは1+100程度で静止現像されるケースが多いので、やや濃いめにして感度を出そうという事でしょう。
※現像時間が長いほど室温に影響されて現像液の温度は上がるため、これほど長時間の現像では、季節や場所によって現像結果には差が出る可能性があります。今回は7月のエアコンの効いた室内で現像しました。
2. 結果検証
作例1(夜間風景)




ISO3200(-1, ±0, +1, +2)




ISO6400(-1, ±0, +1, +2)




ISO12800(-1, ±0, +1, +2)
コメント
ISO3200とISO6400は+1で適正で、ISO12800は+2が適正の露出のようです。実際にはISO3200→ISO1600, ISO6400→ISO3200, ISO12800→ISO3200程度の扱いの方が良いみたいです。
作例2(昼間風景)




ISO3200(-1, ±0, +1, +2)




ISO6400(-1, ±0, +1, +2)




ISO12800(-1, ±0, +1, +2)
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作例1ではISO12800では+2が適正のように見えましたが、ISO3200やISO6400の+1に比べてやや暗い印象です。この結果からISO6400の現像方法の方がISO12800よりも感度は高く出ているようです。
作例3(ブツ撮り)



ISO100(-1, ±0, +1)



ISO400(-1, ±0, +1)



ISO1600(-1, ±0, +1)




ISO3200(-1, ±0, +1, +2)




ISO6400(-1, ±0, +1, +2)




ISO12800(-1, ±0, +1, +2)
コメント
ISO3200の適正は+1、ISO6400の適正は+1~+2の間、ISO12800の適正は+2になりそうです。やはりISO6400の現像方法が最も高感度になっているようです。
また、これらは前回の検証の時にも撮影しているので、ISO100からISO12800までの粒子や解像度の変化を、画面下側のパッケージの部分を拡大して見ていきましょう。
作例4(ブツ撮り)



ISO100(±0), ISO400(±0), ISO1600(±0)



ISO3200(+1), ISO6400(+1), ISO12800(+1)
ISO100からISO400では大きな変化はありませんが、ISO1600から徐々に粒子は目立ち始めISO3200以降は文字の判読が難しくなり、ISO12800では完全につぶれてしまっています。また、少ない露光量のためかISO6400とISO12800では、かなりコントラストが低下しています。
3. 総評
増感の結果、ISO3200とISO6400の設定では+1、ISO12800では+2程度の露光が良いようです。粒子は増感に伴いずっと増えていっていることがわかります。
この結果を踏まえると実質的な最高感度はISO3200(ISO6400設定)という事になります。現像方法の違いのせいか、ISO12800よりも高感度が得られました。
減感および増感のネガが作れる程度の感度表は概ね以下のようになるかと思います。実行感度の値は大体ですが参考になると思います。
・最高感度ISO3200とは
Nikonの入門機を例にして、感度と描写を踏まえて比較すると大体D3100やD3200くらいの性能になります。フィルムにしては大健闘と言えるのではないでしょうか。
また実際にはピントを合わせるのに、暗いところは結構難しいです。ライカのようなレンジファインダー機では二重像が見えなくなり、多くのAF機はピントを捕まえられないでしょう。MF機のピントの掴みやすい機種なら対応しやすいかもしれません。なので、現実的にはISO3200というのはカメラの限界も近いと思います。
・増感は闇を照らせたのか
ISO3200もあれば、f1.4~2.0程度のレンズを使えば十分に多くのシーンで撮影できると思います。荒い粒子と付き合う必要がありますが、バーやライブハウス、キャンプの焚火などで十分に効果を発揮できると思います。この機会に皆さんチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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