これまで安くて良いフィルムということで、上海GP3というフィルムについて検証してきました。今回である程度の見込みがついたので一旦検証に関しては終了し、結論を出したいと思います。

0. これまでの検討
これまでの検討として、GP3と傾向の近いDelta100の比較, FX39での実行感度の模索、Rodinalでの実行感度の模索を行いました。しかしながら、Delta100と同程度のネガ濃度を再現するのは難しい状態となっています。そこで今回は前回の検討では高くなりすぎたネガ濃度を調整するべく、現像時間を調整して挑戦しました。

1. 現像時間について
前回はRodinal(1+25)に対して10minで実施し、Delta100と推定(FX39で現像した際にGP3は-2だったので)で+2ほどの増感となっていました。そこで、今回は大体+1するごとに現像時間は1.3倍になるので6minで現像を実施することとしました。これでFX39の現像に対して+2ほどの現像結果となれば成功です。

2. 作例
FX39 (+2, +1, ±0, -1, -2)
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Rodinal(+2, +1, ±0, -1, -2)
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描写の違いは十分に感じられますが、実行感度が得られている感じはあまりしません。すこし現像時間が足りないようです。ただ、コントラストの出方からして現状でRodinalの個性を残しつつFX39と同程度となっているので、これ以上Rodinalでプッシュした場合にはコントラストが高くなりすぎて使いにくいフィルムになってしまいそうです。実行感度を50くらいで想定して使用するのが良いのかと思いました。

3. 総評
旧Acrosを使っていた時も感じたことですが、高解像なフィルムというのはハイライトが飛びやすかったり、シャドーがつぶれやすかったりと高コントラスト特有の弱点を抱えています。作動領域が狭い場合には感度を低めに設定し、現像時間を短めにして現像することでコントラストを抑え、比較的余裕のあるネガが得られます。そのため、実際には旧Acrosは50~75くらいで使用する方が勝手が良かったのですが、GP3においても同じことがいえるのかもしれません。
すこし気がかりなのは、実行感度が50とした場合の使い勝手の難しさです。フィルターなしの場合だとISO100, F16, 1/100で撮れる日中の風景がISO50, F11, 1/100程度になり赤フィルターを使った場合でもISO50, F8, 1/50程度でまだいいですが、高解像が性能を発揮する窓辺の薄い光だとISO100, F2.8, 1/60がISO100, F2.8, 1/30となり被写体ブレがやや気になってしまう領域になってきます。中判で使うには、開放F値がたりず少しもどかしい瞬間もありそうな気がしますが、選択肢の一つとして考慮してみても良さそうなフィルムです。